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第5話−魔術師のバトル

 無意識の放浪を終え、再び空汰たちの家に戻ってきた小狼たち。彼は、以前クロウ国で、病床に伏したサクラが「手を握ってくれたら早く良くなると思う」という言葉を思い返し、手を強く握りしめながら、思いにふけっていた。
 そのころ帰宅した空汰。彼らと相談する中で得た推測は、これまでにモコナが羽根の波動を関知した場所が異なるのは、羽根は功断に、それもより強いものに取り込まれているのではないか、というものだ。
 翌日。再び街へ出た小狼たち。彼らの元に、また正義が現れる。そこに突然飛んできた飛行物体。それは、笙悟の恋人・プリメーラとその親衛隊が放った功断だった。
 阪神城の天守閣で囚われの身となった、正義とモコナ。そして現れたプリメーラたち。彼女は笙悟の気を引くために、笙悟が気にかけている小狼をさらうことを考えたのだ。
 小狼との勝負を求めるプリメーラ。しかし、そこに割ってでたのは、これまで争いごとに関与してこなかったファイだった。
 
 声を形にする特級の功断「マイクダンちゃん」の攻撃を、さらりと身をかわしてよけるファイ。戦いの中でも冷静にモコナの様子を見て取った彼は、プリメーラがサクラの羽根を持っていないことを見破る。そして次のプリメーラに繰り出される攻撃。スキをつかれ、間合いに入られたプリメーラは思わず功断を発動した状態で悔しさの念を口にする。そのあおりを受け、宙へと放り出された正義とモコナ。二人は笙悟の功断に助けられる。
 その時、羽根の波動を感じ、「めきょっ」と反応する。
 功断は憑いてる者を守るときに、一番強い力を発する。小狼は決意した。サクラの羽根を取り返すために、笙悟に戦いを挑むことを。