トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.12 勇者の証

巨大化した正義の功断の中に、さくらの羽根がある!
なぜ今になってモコナは正義の功断の中に羽根があるのに気づいたのか?
…それは、功断は憑いた相手を守るため。功断が一番強い力を発揮するのは、守るべき相手が危機に陥ったとき。だから人捜しに功断を使ってもモコナは気づかなかったのだ。
今にも崩れ落ちようとする阪神城から主を守ろうと、掌にいれた功断は、さくらの羽根の力のせいか、巨大化したうえ口から炎を出して凶暴化。その有様に、主である正義の声はまるで届かない。
手の打ちようがない絶望的な状況。それでも小狼はファイ達に、さくらの羽根を取り戻しに行くことを告げる。下手すれば命を落とすことになる、という黒鋼の忠告に、小狼はこう答えた。
「まだやらなきゃならないことがあるのに、死んだりしません」…。
さくらの羽根は、功断がまとった衣の中心にある、陰陽の印にあった。依然暴走を続ける功断に、勢いをつけ印へ向け飛び込む小狼。そこは、燃えさかる溶岩湖のようになっていた。全身を炎で焼かれゆく小狼の姿に、正義も覚悟を決める。炎に燃えたぎる功断の胸に、自ら手を向ける。それは、小狼の捜し物を、彼自身の手で渡したいという決意からの行為であった。
かくして、ついに手に入れたさくらの羽根。と同時に、みるみるうちにしぼんでいく正義の功断。笙悟の功断の力で降りはじめた雨の中、小狼は手の中の輝きを、万感の思いで眺めるのであった…。