トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.16−虚ろの記憶

春香の案内で、高麗国の街中へと出かけた小狼とさくら。そのころ、黒鋼とファイは、竜巻によって壊された春香の家を直していた。
大工道具を片手にする黒鋼。彼は小狼の肩を持って、さくらの羽根を探すモコナを不快に思いながらも、いつも虚ろなさくらが街中に出かけたことを心配していた。
ファイは黒鋼にこう話す。羽根を二枚しか取り戻していないさくらには、まだ意志や自我が備わっていない。その証拠に、異世界を旅する彼らに、何も逆らわずに来ただろう、と。
一方、春香と同行する小狼とさくらは、街中でサイコロ博打を挑まれる。2つのサイコロを振り、出た目の和が多い者が勝つというルールだが、さくらはあっさりと最高の数字、6と6を振り当てる。何度も6と6の目を引き当てるさくらの強運を、春香は「神の愛娘」と言う。神様が特別に愛しているから幸運だ、という意味の言葉らしい。
そのとき、病弱な祖父を持つ街娘から税を取り立てる領主の息子の姿が。彼は前領主の20倍の税を支払わせようとしているようだ。支払えない者には刑罰を。老父をむち打とうとした領主の息子。そこに、身を挺して彼らを守ろうとするさくら。すかさずかかと落としを決める小狼。ついに怒りの限度を越した領主の息子は、扇から異形の戦士を召喚する。その扇は、同じく秘術師だった春香の母の物であった。春香の母は、前領主を追い出し、その座に座った流れの秘術師であった現領主に立ち向かい、殺されたという。
そんな扇から出てきた戦士に、見事蹴りを入れた小狼。その瞬間、攻撃を受けた異形の戦士が、いくつも分かれていったのだ!