トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.42 - 消せない記憶

和やかな雰囲気の店内。
その和やかな雰囲気もつかの間!小狼と龍王は息を切らせながら店へと入ってきた。ファイは真剣な顔つきで何が有ったのか尋ねる。
龍王は新種の鬼児に遭遇したことを伝えた。そして、数の多さ、そして絶対の強さも・・・。

小狼は息を切らせ帰ってきたが、そんな事はどうでもよかった。

小狼の頭の中はなぜ、玖楼国があった世界で出会った星史郎が異世界の桜都国にいるのか?その疑問が脳裏を駆けめぐっている。
そして、以前旅をしている頃を回想していた。本を抱きかかえ走り逃げる小狼、追っ手は小狼の何倍も大きな大男たち。大男の目的は小狼の持っている本だった。男のパンチをもろにうけた小狼は吹っ飛ばされ、首の骨が折れそうなくらい締め上げられた・・・。
そんなとき、フード付きのマントのようなものを着ている男が大男をいとも簡単に倒し、小狼はその場を逃れる事が出来た。そう、その男が星史郎だった・・・。男たちは星史郎に向かって攻撃をしてくるが、星史郎は片手で投げ飛ばす。一斉に攻撃を仕掛けても男たちは星史郎にはかなわなかった。

唖然とする小狼。お礼を言うが、星史郎も小狼が持っている本を追っていたのだった。
しかし、小狼から無理矢理奪おうとはしない。星史郎は吸血鬼を追って旅をしているのだった。そして、本に書かれている内容を手がかりにしたかったのだ。小狼は本を星史郎に渡し、星史郎の旅の話や右目の事を聞いた、そして、戦いの方法を教えてくれるようにお願いした。

その星史郎に会ったのは何年も前、それなのに、桜都国で出会った星史郎は全く変わってなかった。それ以前に、本物なのか?何故、鬼児に?小狼の頭の中は疑問と過去の想い出が交錯していた。

小狼の神妙な顔つきに心配するサクラは声をかけた。すると、小狼は星史郎のことについて語り始めた・・・。