トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.62−望みの強さ

 黒鋼の放った「天魔 空龍閃」。小狼はすんでの所でかわしたかに見えた剣戟は、角度をつけて小狼に襲いかかる!
 岩をも砕く一撃。その勢いを全身で受けてしまった小狼。
 「…反応が遅い。」
歩み寄る黒鋼。その瞳は氷のようだ。そばには相変わらず表情を変えないファイ。
次の瞬間。太刀を振り下ろした黒鋼。小狼、危機一髪!
 
 しかし。すさまじい勢いを持った魔法剣が黒鋼を襲う。
 放ったのは、阿修羅王。その姿を見て、「らしくねぇな」と一言。
 引き続き、剣から放たれる炎の竜。斬り返す黒鋼の突き。喉元で寸止めした刃に、阿修羅王は「見事だな」と笑みを浮かべて言う。そこに飛んできたブーメラン。阿修羅王の側近、倶摩羅による助勢だ。が、次の瞬間、肩に矢が突き刺さる。邪魔立て無用…、ということか。
 いつの間にか阿修羅軍に取り囲まれた黒鋼とファイ。そこに、蛍火のように飛び交う光。美しい…と思うのもつかの間、次に訪れたのは秘技、「夜魔 天狼剣」。なぎ倒される軍勢。舌打ちしながらも窮地から放たれた黒鋼。振り返った先には、長剣を持った騎士の姿。そう、それが阿修羅王が対峙する敵軍の将、夜叉王だった。
 天を覆うような月の光の中。二人は何を思い、見つめ合うのか…。