トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.104−困った二人

 轟音を立てて割れていく、紋章が描かれた床。その先に潜める深淵の闇、そしてなによりさくらの記憶を奪った忌々しい場所であることから、小狼はその先へ進もうとする彼女を制し、黒鋼と共に割れた穴の先へと身を躍らせる。
 穴の内部は深かったにもかかわらず、着地の衝撃は皆無に等しい。違和感を覚える小狼は、一緒に落ちたはずの黒鋼の姿を探す。そのとき、ふいに背後に浮かび上がった「記憶の本」、すなわちさくらの羽根と、それを守る図書館の番犬の姿が!本を守ろうとする守衛機能を果たそうとする怪物に対して、小狼は「番犬を傷つけずに」目的を果たそうと試みるが、その圧倒的な力に吹き飛ばされる。激しく床にたたきつけられた小狼。かなりのダメージを被ったはずの彼だが、ほどなく立ち上がる。だが、黒鋼は一目で感づいていた。立ち上がった彼の瞳が、本来の彼のものではないことに。