トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.105−消えた魔法

 羽根を守る守護獣に、小狼は痛恨の一撃を受ける。
 再び立ち上がった小狼だが、その瞳は本来の彼のものではなかった。催眠術にかかったかのような、生気に乏しい瞳。だが、敏捷な動きで獣を手玉に取るや、鋭い蹴りを頭上に放ち、敵を文字通り「一蹴」する。その動きを、冷静な瞳で見ていた黒鋼。羽根を手にして振り返った彼に、すかさず問いかける。
「…おまえ…、誰だ?」
 
 魔法が解け、周囲はレコルト国の図書館へと戻る。羽根を奪われた図書館には、警報のアラートが鳴り響く。そこに、心配したさくらが駆けつける。
「小狼君!」
その声で、我に返った小狼。彼が手にした羽根をさくらの懐にかざして取り込むや、そばにいたモコナが次元を渡る魔法を発現しようと試みる。しかし、魔法陣は現れず、不発に。「移動魔法に対する防御魔法が働いている」と見抜いたファイ。図書館から脱出しようと駆け出すも、再び彼らの前に守護獣が襲い来る…!