トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.141 - 儚き逃亡者

 ファイの意識の中に、次元を越えた声が届いた。覚悟を決めていたファイだったが、その表情をサクラには見破られていた。ファイもサクラの言葉をそのまま返した。チェス参加を宣言した後のサクラの様子の変化、小狼を避けていること。そして今日の対戦では意図的に迷ってるような仕草を見せたこと、全ては自分の決心を迷っていることを伝えるため・・・。変化を指摘されたサクラは欲しいものがあることを口にした。それはリビングに居る黒鋼たちが聞いたら怒ることだという。それでも欲しいものを・・・、ファイは気持ちを理解しサクラの手に口づけをした。
 別の部屋で、酔ってソファーに横たわる小狼、その隣には黒鋼とモコナ。ファイとサクラの考えを詮索していた。寝言を言う小狼に優しく手をかざした黒鋼だったが、お互いの思惑に少し苛つきながら酒を口した・・・。