トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.150−残された者たち

 2分の1の確率…。
 分け隔てられる、体と魂。体はセレス国へ、そして魂は彼女が望んだ世界へ…。
 彼女が望んだ、異次元の世界。それは侑子が手にする、装飾が施された円筒の中にあった。円筒の中に在るのは、『夢』の世界。それが、彼女の行き先だった。
 …彼女が「命を賭して」変えようとした未来、それはファイが彼女を殺めるばかりではなく、共に旅してきた二人の命を奪った後、自らをも刺し貫く惨劇だった。彼女は、ファイが自分を手にかけた場合の行く末を夢見で知っていたが、それは呪いで不可避であることを知るや、己の強運をかけて自らの魂を、右足の自由と引き替えに仲間3人の命を救うとともに、ファイの呪いを解く道を選んだ。
 その事を知ったファイは悟った。彼女は、彼の嘘に気づいていたことを…。