トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.160−遠い日の約束

 在りし日のセレス国。ヴァレリア国から連れられてやってきた幼い皇子は、西の谷に住民をを悩ませる雪崩の対処を施すためにやってきていた。すでにセレス国で最高位の魔術師である「D」の称号を持つに至った少年にとって、それは計算ドリルを解くが如くたやすい問題であった。
 そんな彼の帰還を、宮殿で待つ王・アシュラ。王は、彼を愛息のようにかわいがっていた。アシュラ王は、彼に一つの願いを託す。それは、この国・セレスを護るため、有事の際は害なす者を「滅する」こと。渋るファイに、アシュラ王は、魔力を使うたびにチカラを増大させる彼の能力を抑えるとともに、彼より強大な魔力を持つ者が現れた際にその者を殺す呪詛の発動を妨げるため、ある紋様を施した。それは、ファイが異世界を渡る旅に出るときに対価として侑子に手渡した入れ墨だった。
 ファイのすべてを知り、刀を抜く黒鋼。かつてアシュラ王と交わした約束のため、魔法を発動させるファイ。剣と、魔法の激突。それでも黒鋼は、ファイのさらに裏側に隠された真実を見抜いていた…。