トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.167−傷つきし忍

 セレス国で、片腕と代償にファイを連れ戻した黒鋼。4人が次にたどり着いた場所、それは黒鋼が仕えていた場所、日本国・白鷺城。意識を取り戻した彼が初めて目にしたのは、知世姫だった。
 夢見である彼女は、影で彼らの旅を手助けしていた。「人を殺めれば強さを減らす呪」と告げた言葉の裏に隠された真実。それはアシュラ王の命を奪えば発動する呪いを戒める声だった。一方、避けられない運命に対して、彼女は黒鋼の夢を渡って適切な打開策を助言した。
 こうして、セレス国から無事連れ出されたファイ。ファイは黒鋼と知世の会話のあと彼の寝室に入り、いきなりその頭に拳を入れた。
「お返しだよ、『黒様』。」
その言葉の裏には、彼ならではの真心が込められていた。
 一方の小狼。彼は、夢の中で一人の人物と向き合っていた。それは、次元の魔女・侑子の傍に仕える、四月一日君尋であった…。