トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.187−願いの報い

 「ループ」。
 ひたすら、繰り返される時間。切り取られた時間の中の住人は、その中で同じ行動を繰り返しながら生きている。彼らは、同じ事を繰り返し、先に進まないことでその存在を保っていた。
 しかし、その調和を乱す存在が現れた。それが『小狼』たちだ。彼らが新しい情報を得て、求めるものに近づこうとする度に、世界は均衡を崩す。その結果が、彼らの眼前で熔けていった住人達だった。
 それでも…、彼らは先に進まなければならなかった。進まない時間は、死と同じ。彼らは、自らの願いを叶えるために先へ進む選択をした。たとえそれが、自分たちにとって好意的な人たちであったとしても。
 己の願いのために、街の者達を振り捨てた『小狼』。彼は、歩み出す。「あの日」まで、ずっと側にいたさくらに会うために…。