トップページデータノート「XXXHOLiC」ストーリー紹介(コミック版)

第162話

  ヤングマガジン:2008年36・37合併号:2008.08.04.月.発売
 
テーブルをはさんで客の女性と向き合う侑子。
「貴方がこの店に入れたという事は 願いがあるという事」「貴方の願いは?」
四月一日君尋は,この展開久し振りかなと思いながら飲み物を用意していたのだが……。
女性の「お料理を習いたいんです」に,ずっこけてしまう。
彼が思ったのは,
侑子さんの料理って!! こわすぎて想像出来ねぇ。
 
侑子はあっさり答える。
「分かったわ その願い叶えましょう」「四月一日が」
 
縁側で小羽の作った弁当をつつく侑子・黒モコナ・静そして君尋。
「んーおいしっ」と侑子
「もー,勝手に料理教室なんか引き受けてー」は君尋。
侑子は,小羽も教わってこんなに上手になったんだからと語り,モコナも同意する。
「じゃ,あの子は四月一日の生徒2号ってことで」
侑子が決めつけた。
「でも 全然知らないひとの家まで教えに行くなんて やっぱり」
そのことばは,例のごとく食事に好き勝手な注文を出すほかの3人の耳には届かない。
「誰一人,聞いちゃいねぇ!!」
 
君尋が目をあけると,そこは寺のお堂の階段,そして腰を下ろしている人がいた。
「こんばんは遙さん」
「おや もう驚いてはくれないようだね」
さすがに慣れましたと言うと,遙は,わたしに慣れただけでなく本当に変わりちゃんと進んでいると応じる。
「変わる事には2種類ある 進む事と戻る事」
「どちらが良くてどちらが悪いとは一概には言えないけれど 君には進む事が必要だったようだ」
そこに侑子の強い想いが働いていることを,君尋もわかっていた。
「そして,また一歩大きな道を進ませようとしている 君がちゃんと選べるよう」
遙は続ける。選択は常に行われているけれど,なかなかそれに気付けない。後からあの時選んだ結果が現在(いま)だと認識(し)るのだ。
 
ひと息ついて,遙は笑顔を向けた。
「さて せっかく会えたんだ 何か面白い話はないかな」