トップページデータノート「XXXHOLiC」ストーリー紹介(コミック版)

第183話

  ヤングマガジン:2009年32号:2009.07.06.月.発売
 
君尋が目をあけると侑子のソファの上。宝物庫で倒れていたのを,静が見つけたのだ。
その静に思い切って聞いてみる。
「‥‥侑子さん 知ってるか」
「おう」
君尋は,ほっと息をはいた。
 
いきなり,床と天井の一部が部屋の中へ突き出てきた。その中から現われたのは,マルとモロ。泣きながら君尋に飛びついてきた。
「店はもう大丈夫だからって!」マルが叫ぶ。
「主様の最後の力で留めるって!」モロが叫ぶ。
「最後って!」「最後って!」すがりつく2人。
「主様 いなくなっちゃった!!」
泣きくずれる2人を君尋は抱きしめた。
「‥‥夢じゃ」「ないんだな」
 
静は,部屋の外に出ると戸を閉め縁側にあぐらをかいた。
タバコ盆の上のキセルから煙がひと筋立ちのぼり,すぐ横に黒モコナがいた。
 
「視たのか」モコナが庭のほうを向いたまま聞いた。
「あれは‥‥夢じゃなかったからな」
君尋の見たものが見える右の目に手をやる静。
 
「あのひとが言った瞬間(とき)に,おれは気付かなかったのか」
そう言いつつ,手の平にのせたタマゴを見たが……。
「瞬間(トキ)は」「まだ来ていない」
モコナが応じた。ココで侑子を待つと決めた君尋が,そのためにする選択の結果,それが必要になるのだと言う。
「選んだその時にか」静が尋ねる。
「違う」「使う瞬間を決めるのは百目鬼だ」それが答え。
「今 ヒトで侑子の事を覚えているのは」「力があるものだけだ」
小羽と占いのおばあさん,蒲公英がついているひまわり,君尋と目を分け合った静,彼らは「侑子が四月一日の側に居て欲しいと思ったヒト達」だと話す。
「自分が消えた後に,か」
「‥‥そうだ」
 
モコナは静のほうに向き直った。
「中でも 百目鬼だけが 四月一日と同じものが視られる」「だから選べる その瞬間を」
「侑子はそう信じて渡したんだ」「その卵を」