3314 《xxxHOLiC・戻》第29回:スト紹です

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■ 《xxxHOLiC・戻》第29回:スト紹です [返事を書く]
黒鋼(ツバサ) [3314] 黒ジィ フレンドメール訂正Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; rv:27.0) Gecko/20100101 Firefox/27.0 2014/03/21(Fri) 14:12
「銅は伝わりやすいのよ 色んなものが」「籠めやすい,とも言えるわね」
侑子が説明する。
「銅に運をこめて 自分のそれを交換する」「悪い運を誰かに肩代わりしてもらう時に 良く使う術だわ」
「でも あの子が交換した運は…」
口をはさむ君尋。
「物凄い強運よ」「良い意味でね」「いるのね まだ ああいう子が」「常識や誰かの意見にとらわれず 自分のカンや感覚で決められるひとが」
「…そういえば」
静が口を開いた。無理矢理交換させられた300円を,気味が悪いからと寺に持ってきたひとがいた。賽銭箱がなかったので神社で入れたらしい,と。あの老婦人の話だった。
「それはまさに『セーフ』ってやつね」
「…さっきの女の子も そのひとも」「ちゃんと持っているのね」
「自分にとって良いものと悪いものを きちんと判断するための直感って」「本当に大事だけれど もう殆どのひとが失ってしまっているから」
「どうしたの 四月一日」
静の杯に酒をつぎかけて,すっきりしない顔でいる君尋に,問いかける。
「…そんなもの おれ,本当に貰ってよかったんでしょうか」「プリン3個で」
「あの子がそう望んだんでしょう」「それに」
「欲しかったんでしょう?」
重いことばだった。そのとき,
“ぐら”
またもや……。君尋は,左手で左目のまわりを押さえた。
「どうしたの?」
「鳥が」
「鳥が?」
「頭が痛かったりふらついたりすると 鳥が横切ったような感じがして」
左手を顔にやったまま,話す。
「そう…鳥」「鳥は,貴方の,なぁに?」
「鳥は…」

いきなり,明るい声が耳元ではずんだ。
「四月一日ー 熱燗,時間になったー」
「あと,お鍋も時間になったー」
左耳にマル,右耳にモロ。
「あ,うん ありがと」
2人を見てとまどった君尋だが,気を取り直して礼を言う。侑子は両手を突き上げた。
「やったー! おでんと熱燗追加ー!!」
「前 作った いかの塩辛も 持って来い」は,静。
「タコ,切ってきて! タコワサ食べたーい」
侑子も,せいいっぱいのおねだり顔。君尋は立ち上がる。
「分かってますよ! あと白御飯もでしょ!」
「さっすが 四月一日ー!」
侑子は,のりのり。
きゃきゃ言うマルとモロを連れ,君尋は,縁側に出て歩み去った。

「…まだ ですか」
「ええ」
静に答える侑子は,いつもの表情に戻っている。
「まだ揃っていないから」
相手の酌を受けながら,続ける。
「でも もうすぐよ」
「四月一日は選んでいるわ」「今までも そう ついさっきも」「そして,この後も 選ぶでしょう」
「自分自身で」
静は,左手にのせたタマゴを見つめていた。
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