3315 《xxxHOLiC・戻》第30回:スト紹です

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■ 《xxxHOLiC・戻》第30回:スト紹です [返事を書く]
黒鋼(ツバサ) [3315] 黒ジィ フレンドメール訂正Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; rv:27.0) Gecko/20100101 Firefox/27.0 2014/03/30(Sun) 18:22
「大分(だいぶ),涼しくなってきたなぁ」
君尋が言った。静ともども制服のロングコート姿,学校の帰りである。あたりを見ながら歩いていて道ばたに出された鉢植えの菊に目をとめ,つけ加える。
「春の花もいいけど 秋もいいよな」「なんか落ち着いた感じで」
“ぐぅ”と,音が……。
「腹で返事かよ! その上,花より団子かよ!」
「五月蝿い。」
静は,君尋の側の耳を手でおおうが,相手は,面と向かって言いつのる。
「おまえには 雅の心とかねぇのかよ! ねぇな! なかったな! 愚問だったな!」
「おまえの,その怒鳴り声は どうなんだ」
おだやかに切り返すと,君尋に背を向け,両耳の穴にひとさし指をを突っこんだ。
「五月蝿い。」
そのとき,君尋の目のすぐ前を“ひら”と花びらが……。
「え……」
見上げて絶句した。生け垣の向こうのみごとな花盛りの木が,花びらをまき散らしていたのだ。
「これ… 桜だよな」
君尋は,手の平で受け止めた花を見てつぶやいた。
「秋に桜って 異常気象っていっても これ,満開…」
「この子はね いつもこうやって咲くんですよ」
そのことばに,君尋は,はっと頭を上げた。門の格子戸をあけて,着物姿の初老の女性がこちらを見ている。
「す,すみません 家の前で騒いで」
「いいえ 足を止めて下さって嬉しいわ」
「よろしければ お茶でもいかが?」「素敵な学生さん」
「や,でも」「ご迷惑…」
「美味しい上生菓子があるのよ」
「お邪魔します」は,静。
「即答かよ!」
君尋はその背をビシッと張った。
「まぁまぁ 楽しそうだこと 仲良しなのね」
「初対面の方にまで誤解を」
君尋は,頭をかかえるが,静はひとこと,
「五月蝿い。」

ガラス戸越しにその桜の見える部屋で,2人は,お茶と生菓子の小皿を前に,テーブルで女性と向き合っていた。
さっさと食べた静に遅れて,君尋も口に運び,
「美味しいです」
「お茶もどうぞ」
花が散っていくのを見ながら,君尋が話しかけた。
「さっき この桜はいつもこうやって咲くって おっしゃってましたよね」
「いつも秋頃に咲くんですか?」
「いいえ」「この子はね」「ひとを待って咲くの」
「ひと…」「ですか」
「そう」「この子を必要とするひとが来る時に 咲くのよ」
「…おれ達が来るのが分かってて 咲いて待ってたって ことですか?」
「そうね」
ずっと笑みを浮かべていたその顔に,わずかに影がさした。
「でも,何故分かるのか 私にはちっとも分からないんだけど」
君尋は,椅子から立ち上がると,ガラス戸をがらとあける。
「…待ってて くれたのか」「来るのを」
「どうして,ここに来たのか おれは分からないんだ」「知ってたら 教えてくれないか」
ぬれ縁で,桜に向かって語りかけていた。
「おれは,何故」「『貴方』に遭ったのか」
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