日本は狭い。 このように言って憚らない人間は、世の中にごまんといる。 しかし、それは本当の日本を知っての言葉なのだろうか? 世の中は広い。そして、人の数だけの個性がある。そして、不可解さがある。 そんな、地物缶ジュースの話を聞きながら味わってほしい。 あなたが知らない「アナザーワールド」を…。 ■ コーヒースカッシュ (徳島県、らくれん・250ml入り¥50) ゲテ物に目覚めたのはこれで、今から10年ほど前の夏に、徳島市青果市場の自販機で売られていた。 当時缶ジュース1本250ml入りで100円だったので、50円のこれはひときわ目を引く物があった。みかん出荷帰りに叔父と飲んだのだが、二人とも見事に一口飲んで吐き捨てた。 徳島ローカルのコーヒーはUCCともジョージアとも言えない味で、ふつうに飲めばそれなりに飲めるが、 これに炭酸が入ると、実に破壊的な味がした。 当時の友人Hにも同意が得られたが、幼なじみとでも言うべきYは一気飲みした挙げ句、土産にともう一本持ち帰っていった。 やはり変な奴、類は類を呼ぶ。 昨年、北○鉄道野町駅の自販機で「カフェガラナ」なる代物が売られていた。 「ゲテ研黒幕」を自称する小生としては、これは是非チェックしておかねばなるまい。 しかしそのときは仕事中の身で、いまいち飲むことに踏ん切りがつかない。 そこで、パンを食べている後輩にこれを飲ませることにした。いわゆる所の「実験くん」、カタカナに直すと「モルモット」になろうか。 「ありがとうございます。」と礼を述べて手にする無知なる子羊。 が、いくら鈍感でもその次の瞬間、このジュースの異常さに気がついた。 鼻に近づけずとも漂ってくる香り。 カラメルとコーヒーをブレンドしたらしい芳しさ。 嫌味なまでに噴き出る泡。 一口。 「うぎゃー!!」 おいおい、やおら叫ぶんじゃない。 後日飲んでみたが、それほどの破壊力はなかった。…ゲテ物と呼ぶには。 ただ、そのあと腹がおかしくなった。恐るべし、カフェガラナ。 ちなみにガラナは「日本発、ポスト・コーラ」をねらって作られた物らしいが受け入れられず、幕末の土方歳三with新撰組と言った感じで北へ北へと追いやられ、最後には北海道にしか見られなくなった。 で、細々と生きながらえてきたけれど、「ここらで一発!!」と言わんばかりに盛り返そうとした。 が。 今日も野町駅の自販機をのぞいてみた。が、ペプシの自販機にカフェガラナはなかった。 歴史は繰り返す…と思いきや、なんと今度は隣のポッカにガラナ飲料が!! 恐るべしガラナ、まさにゴキブリ並の生命力。 ■ グァバ (長野県、オリエンタル・250ml入り¥200) これも10年ほど昔のお話。 ボーイスカウトに入っていた頃に、アルプス登山先の山小屋で飲んだジュースで、ケチな関西人(もどき)である私が買ったのではなく、先輩が買った物を回し飲みしていたのだが、後味の悪さはなかなかの物であった。 後日、神岡鉱山でオリエンタルの「濃縮生乃カレー」というレトルトカレーが売られていた。 370gで4皿分。 なんと加熱前に封を切り、さらに水300ccを加えて作るという代物である。 裏面の作り方のところにはさらに、「水の代わりに牛乳だけで溶かすと、全くタイプが変わって、まろやかな味のカレーになります。(原文のまま)」とあるが、このたび東京で行われたコアデ企画の説明会に、遠路金沢から参加したという「無敵」の鉄道愛好会前・会長氏の言葉を借りれば、「別世界の味がした」ということになる。そりゃそうだろう。 さらに後日。 自称「小柳駅長」こと鉄道愛好会会員・小柳曽谷乃助が、にこにこしながらカバンの中からとりだしたのは、なんとオリエンタルの粉末カレー。なんと最近ではジャスコでも売られているらしい。 大爆笑の部員一同を目にした彼はキョトンとしている。無知とは恐ろしいものよ。
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