Break out !! |
瑠璃色の刻- 初出:金沢大学鉄道愛好会会報「X'press」 |
旅先で見たものは、やはり思い出になるものだ。 「トンネルの先はトンネルだった」浪人生活を終えた後の東北旅行、その途中の岩手県毛越寺ユースホステルで泊まったときのことである。バカ話や片言英語でドイツ人とのコミュニケーションで盛り上がった同宿者の一人が、翌日も私と同じユースホステルに泊まることが分かった。互いに「狭いユースホステルでこの調子じゃ、翌日は結構人が泊まっているだろう」と予測を立てていた。 ところが、その宮古・末広館ユースホステルに泊まったのはその二人だけ。 「何だ、そんな他愛もないことを」とお思いだろうが、私にしては印象深い出来事だったのだ。 旅先でアニ鉄の話題で盛り上がったのはこれ一度きりだが、忘れられない出会いや出来事は他にもある。 最北限・礼文島で別れた後、最東端・根室で再会した奈良の二人。 私の「きわめて」つまらないギャグで抱腹絶倒していた広島大学の人。 九州ワイド周遊券を持ちながら、長崎のとあるユースホステルでヘルパーをしたこと。 母子里で会った人と半日のドライブの末、宗谷岬に連れていってもらったこと。 怪しげな予言をするユースホステルのペアレント。 そして全国駅前銭湯旅行の編集者である関谷秀樹氏とそのユースホステルのヘルパーを交えて、近郊型電車のあり方について語り合ったこと。 そして、京都府大の女の子と、「屋根付きバイク」で早朝に、瑠璃色の田沢湖畔をツーリングしたこと。 …数えればおそらくキリがない。 出会いはユースホステルの専売特許ではない。 出会いは、時に自分という器の小ささを認識させることがある。 2年前の沖縄旅行、このとき私が出会った旅人は、みんな輝いて見えた。 他にもいろんな人がいた。 「自分が悔しいと思ったんやろ?それってめっちゃええ旅したやん。」 とこの時出会った人は言った。 それからの旅は、「自分らしい」自分を捜し求めるものに変わっていった。 そんな「自分」が見つかったかどうか、それは私自身も分からない。 ただ、今度沖縄に行ったときは確かめてみたい。 |
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