北へ、北へ…真の北海道、ここにあり! |
私が愛した羽丘芽美 (後編)- 初出:金沢大学鉄道愛好会会報「X'press」 |
私以外宿泊客のいない美幌YHに宿泊し、翌日特別快速「きたみ」で旭川、そして塩狩へ。毎年2/28に行われるアイスキャンドルや塩狩峠で知られるこの地、かつて、峠を逆送し始めた列車を、命賭けでくい止めた車掌さんのお話からはじまる。 このアイスキャンドルを告知するポスター、道内の多くのYHで掲示されていたものだが、これを描いたのが、かつて大学の漫研にも所属していたというヘルパーさんというが…何とまあ絵がロリロリなこと。ロリコンなJRレギオン氏が見たら喜ぶな、きっと…。そう思えるような絵柄であった。 「トラベル・ガール」。 うっ、巻末のこの「おくづけ」。 (*:「オタクの祭典」コミックマーケットの事です。) 翌日。 「さすがっ!」 って思っちゃいます。 「母子里一刻館」。 ああっ、三鷹さんっ!と思ってしまったのだが、名前の由来はそうではないらしい。 しかし、この宿は素晴らしい宿である。 「クマザサ」 ちょうど連泊する予定だったのがちょうどよい。 初日、クマザサ(*6)。 他に、この宿のすばらしさを列挙すると、
なかなかにして「いい」感じである。 お気に入りの場所…一刻館のトイレ。 …何なんだ、いったい。 母子里は日本一寒い地である。 夜、宿主さんが懐中電灯を出して、「これで照らすと、ダイヤモンドダストが見えるよ」とおっしゃる。夜九時ぐらいだったであろうか。たまたま泊まりあわせた富山大学演劇部の女の子と外に出る。…あ、確かに見える。 ダイヤモンドダストは、水蒸気が昇華して、光に反射することで生じる。なかなかきれいなものである。しかし、こんなことのためにわざわざこの地を訪れたわけではない。 がさごそとカバンから取り出しましたる一冊の本、こちらはタネも仕掛けもございません「赤ずきんチャチャ・第8巻」(*8:執筆者は旅先でしか赤ずきんチャチャを買わないという妙なポリシーを持つ)。 夜12時を回ると、気温はますます落ちて、氷点下20℃に達していた。この状況で、この本一冊を読み切る。これが通の読み方である。 この気温だと、濡れたタオルを空中で10回振り回すと、アイスバーになる。ついでに、バナナじゃ釘は打てない。 手がかじかんで動かないこと、なかなか集中できないこともあって、一冊読み終えるのにえらく時間がかかった。結局、内容を楽しむどころではなく、読み終えた時は、身も心も誠に寒かった。このとき、気温は氷点下25度を記録していた。 翌日、旧深名線跡をクロスカントリースキーでたどる。雪質もよく、景色も林道のようですごくよい。ただ、線路跡は雪に埋もれて見えないし、目的地などないから、折り返し地点がわからない。もとい、決まらない。 稚内、留萌を経て、次の目的地、美瑛。 YHに戻り、しばらくすると、林から天に向けて、ぼやっとした赤い一筋の柱状のものが見える。 その夜、というよりは深夜、目覚ましに起こされて外に出ると、清々しい寒さの、満天の星空の中でも、ひときわ光り輝く彗星が見えた。そのとき地球に再接近していたという「ヘル・ボップ彗星」である。 ふたすじの尾が見える。 そういえば、セイント・テールの第19話にも、こんな話があったっけ。 ああ、それでアスカJr.が 「オレの願いは、神様だからな」 と言ったのか。…彗星を見ながら、他に見ていた二人とは、全く別次元なことを考えていた私。 そのあと、再び床に入ると、聖良さんに起こされる夢を見た。 |
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