お金がなければ何もできません。旅行は特に、出費とのにらめっこです。
　ここではそんな費用計算の方法をお教えしましょう。
　ＪＲの場合、料金を算出するのに必要なのは「キロ数」です。それでは、具体的に計算を行いましょう。
　使う例は第３章と同じく、新千歳空港から富良野までルートで、2.・3.のパターンです。

　2.　新千歳空港　〜　白石（札幌）　40.8km
　　　白石（札幌）　〜　滝川　77.7km
　　　滝川　〜　富良野　54.6km

　3.　新千歳空港　〜　白石（札幌）　40.8km
　　　白石（札幌）　〜　旭川　131.0km
　　　旭川　〜　富良野　54.8km（60.3km）

　ところで、旭川　〜　富良野間の（60.3km）とは何でしょうか？
　これは、実際のキロ数は54.8kmですが、この区間はローカル線なので他の路線よりも料金を高くしよう、ということで設定された「地方交通線」なので、料金を算出するためのキロ数を実際よりも多く見積もられた数字なのです。これを「換算キロ」と言います。ですから、運賃を計算する際にキロ数を足し算するときは、この「60.3km」をつかいます。これらを実際に足し算すると2.の場合は40.8+77.7+54.6=173.1km、3.の場合は232.1kmになります。

　キロ数の場合、端数は切り上げです。ですから200.1kmの場合の利用キロ数は201kmとなります。

　さて、これでキロ程は出ました。運賃は時刻表に必ず付いている、「ＪＲの営業案内」というページに載っています。
　まず調べるのは「本州３社内の幹線の普通運賃表」。これによると161km〜180kmまでは2,940円、220km〜240kmまでは3,890円です。

　…しかし、これは本州３社の場合。ＪＲ北海道・四国・九州といった「三島会社」は経営が苦しいため、さらに加算料金を加えなければなりません。これも調べたら出ていますが、101km〜180kmの場合210円、それ以上の場合310円を加えなければなりません。これで2.の場合は3,150円、3.の場合は4,200円。ちなみに、本州から北海道へ旅行する場合、合算したキロ数にあわせた料金に加え、北海道内のみのキロ数を計算して加算料金をはじき、それらをあわせたものが運賃となります。
　まだまだ続きます。いまの例では新千歳空港が旅行の出発地点になっていますが、新千歳空港〜南千歳間を利用する場合は別に140円を加えなければなりません。したがって、2.のルートの場合2,940+210+140=3,290円、3.のルートの場合3,890+310+140=4,340円となります。

　さて、学生割引を使うの場合はどうなるでしょうか。学校が発行する学割証と引き替えに、ＪＲの運賃が２割引になります。2.のルートなら2,870円に0.8をかけた2,632円という数字が出ますが、10円未満の端数は切り捨てですので2,630円が答えです。

　ＪＲではない、私鉄やバスの料金計算はどうすればいいのでしょうか？
　…実は時刻表にその区間の運賃がばっちりと書かれている場合はその金額になるのですが、途中駅からの乗車などで書かれていない場合はヤマカンに頼らざるを得ません。時刻表に書かれた電話番号のところに電話すると多くの場合、正確な運賃を教えてくれますので、どうしても気になるのであれば、直接問い合わせた方が良いでしょう。

　難しいですが、おわかりいただけましたか？