出発地から目的地まで、一度も同じ場所を通らずに戻ってくることを一筆書きといいます。これを切符を買うときに使うと、安くておもしろい切符になります。

　たとえば、北陸の金沢から東京へ戻ってくる旅を考えてみましょう。

　普通の人なら、ＪＲが売り込みしている上越新幹線と「はくたか」に乗って往復するでしょう。時刻表の地図を見たら、「しらさぎ」号を使い、西の米原で乗り換えて東海道新幹線を使うルートを考えるかもしれません。
　そこでもう少し考えて、トリックを使います。下の表を見てください。

【北越急行経由】乗車券＋特急券　
　乗車券：\15,140＋特急券：\10,880＝合計\26,020
【米原経由】乗車券＋特急券　
　乗車券：\16,820＋特急券：\13,040＝合計\29,860
【東京往復割引きっぷ】途中下車不可
　越後湯沢経由　 \22,320　米原経由　\25,280
【一筆書ききっぷ】乗車券＋特急券　
　乗車券：\13,240＋特急券：\11,960＝合計\25,200

　この場合の【一筆書ききっぷ】は、金沢から越後湯沢・東京・名古屋・横浜を通って金沢へと戻ってくる切符です。この切符の特徴は単に安いだけではなく、途中の富山や越後湯沢、東京、横浜、名古屋、福井といった各所で下りられるのがメリットで、観光を始め各所に点在する友人を訪ね歩くというのにも便利です。有効期限はなんと10日間もありますので、ゆっくりすることができます。

　しかしながら弱点もあります。それは、あらかじめ計画を立てなければならないこと、そして行動に移したらルートの変更は出来ないと言うことです。

　これを応用するとこれまで細切れで買ってきた切符を安く、一枚で済ませられ、いちいち切符を買うために並ぶ手間が省けるのです。