フットワークの明暗
便利な小物たち- 第 4 章

 コミックマーケットでは、遠隔地からの参加者を考慮して宅配便の利用が認められています。
 システムとしては宅配業者(フットワーク)の東京支社の倉庫に預かってもらうもので、受付期間はおおよそ開場の20〜10日前までとなっています。なお、受け取り先はフットワークですが、送付するのはフットワーク以外の配達業者(宅急便とかペリカン便とかゆうパックとか)でも届けることができます。

 ちなみに、参考例として宅配便の送付先を挙げておきます。利用される前に、かならずコミケットプレス(当選通知書に同封されているミニコミ紙)を読んで、該当事項を確認しておきましょう。

  • 届け先の名前
    コミックマーケット○日○ホール○ブロック○様
  • 電話番号:記入しない
  • おところ:東京都江戸川区臨海町4−3−1
    フットワークエクスプレス(株)東京支店留
  • 依頼主の名前:(自分の名前)
  • 電話番号:(自分の電話番号)
  • おところ:(自分の住所)+(サークル名)
  • これにくわえて、曜日別にB6の色紙を張ります。
    • 金曜日(第一日目)は黄色
    • 土曜日(第二日目)は青色
    • 日曜日(第三日目)は赤色

 本の受け取りは、コミックマーケット当日にホールの外にあるフットワーク荷物受け取り所にて可能です。この際に手数料として荷物ひとつにつき150円の手数料が必要となります。

 さて、便利に見えるフットワークの荷物預かりサービスですが、いくつか欠点があります。これらを順にあげておきましょう。

 まず、荷物の受取時間が限られていること。開場前の朝9:00から10:30までは荷物の受け取りができません。サークル入場の期限は朝9:00までですが、そのギリギリになってきても荷物の受け取りはできない、ということです。つまり、自分のブースには飾り付けのディスプレーはもちろん、売るべき本すらないという寂しい状況で開場の合図を聞くことになります。

 つぎに、雨天に弱い、ということ。荷物の引き渡し場所には屋外にあるため、テントや屋根など雨をしのぐための設備はありません。大雨に襲われた場合はプールになるほどに水が溜まりますが、その場合にはいかんともできません。

 そして最大の欠点。それは、誰が荷物を受け取ったのかをちゃんと把握していないことです。フットワークは荷物の引き取りの際に手数料の150円を徴収しますが、控えとなる荷票を必ずしも回収していません。つまり、悪意ある第三者が「荷票を忘れた」といって荷物を受け取ったとしても、フットワークはその責を負ってくれません。また、荷物が違うホールの引き受け所に行ってしまったり、違う開催日の荷物に紛れてしまったために荷物を引き取れない、という事態になることもあります。つまり、荷物を預けたからと言っても100%引き取れる、とは言い切れないという点です。

 ですが、100ページの本を100冊印刷すると、中型の段ボール一箱分になります。その重さはなんと17.9kg!! 混雑する東京都内の電車を、段ボールを乗せたカートを転がしながら移動することは、手慣れていないとなかなかに難しいものです。

 フットワークの荷物預かりサービスは便利な反面、代償も大きいことを理解してから使いましょう。

コラム【やってしまった黒歴史】
 段ボールを引き取るときに、「すこしでもわかりやすく」と考えたのが、「イラストを段ボールに貼り付ける」こと。
 確かに、わかりやすかったです。一瞬で自分の荷物がわかりましたから。
 しかし、問題はその後に起こります。
 残品となった本や小銭入れ、棚、テーブルクロスなど、「送り返さなければならない」荷物というものがどうしても発生します。そのときに使うであろう段ボールが「イラストが貼り付けられた」もの。家に帰った後、荷物を届ける宅配便業者の顔が見物です。
 さらに、過去には「不在時には家の前に荷物を置きっぱなしにしてくれる」優しい業者もいました。送り先となった後輩のアパートは公道に面した1Fにあったため、アパートの住民のみならずご近所の方々の生暖かい視線を集めたのはいうまでもありません。

コンテンツ

第一章
はじめに

 コミケットとは?

第二章
参加までの道程

 参加までのスケジュール
 ジャンルを選ぼう!
 参加申込書について
 受理通知とその後

第三章
製本あれこれ

 同人誌をつくろう
 製本方法いろいろ

第四章
便利な小物たち

 ブースの演出
 アイテムいろいろ
 フットワークの明暗
 売り上げ増のために
 委託参加のノウハウ

第五章
有明に行こう

 一般参加の注意事項
 コミケの心得
 有明への道

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