■ 飲む極上ライス ミキ/飲む玄米 黒糖玄米 (沖縄県、マルマサ・各250ml入り¥100) まず、注目点はキャッチフレーズなのか商品名なのかよくわからない触れ込み。これは沖縄で買ったとき、注目度No.1飲料だった。 しかし、実際飲んでみると、「くず湯やないか」とあっさり一蹴されてしまった。 何しろ、米「粒」は一つもなく、潰したかのような状態。 しかし、一週間ほど冷蔵庫でおいておくと…見事に分離、沈殿してるぢゃあーりませんか。特に黒糖玄米。沈殿物がヘドロのようで、なかなか素敵に無敵だが不適である。 黒糖玄米の蜂蜜入りヴァージョンはとてつもなくマズいという情報を得ていたのだが、必死の捜索にも関わらず、残念ながら見つからなかった。 後日談。ゲテ研沖縄特捜隊(代表:シロ・イトー・でし)は、石垣島にて謎の黒糖玄米の瓶入り(牛乳瓶)を発見。さっそく人柱となった代表は、キャップをはずしてその味を確かめる。…が。飲めない。何だこれは!と思いながら瓶を更に傾ける代表。すると、角度にして80度近くなったところで怒濤のように液体が落ちてくる。そう、あまりにも粘り気が高くなってしまった黒糖玄米はまさにくず餅状(専門用語でビンガム流体という)と化していたのだ。当然のようにむせる代表。エンターテイナーである。 ■ 沖縄特産・ゴーヤドリンク (沖縄県、ポッカ・190ml入り¥130) 沖縄県では缶ジュースは一本100円である。 沖縄では本土(内地、ヤマトとも言う)の常識は通用せず、ナゼか24時間営業の喫茶店が石垣島にゴロゴロしており、「五光出率アップ!」という怪しげな看板の店がある。 CMでは「居酒屋○○、駐車場200台完備」などというものが流れており、石垣島の八洲旅館ユースホステルのペアレントのおばちやんはエラ呼吸していると言われている。 そんなことはさておき、高校時代の受験戦争真っ只中の夏、宗教の修行に沖縄へ行って来た友人Uは、帰ってくるなり「沖縄のニガウリジュースは強烈だ」と言い残す。 あの「タヒボベビーダ」をうまいと言って飲んでいた男に「ギュウ」と言わせる代物。これは是非とも探し求めねばなるまい。 ということで、本当はこれを探していたんだが、あったのはこれで、結局2本買って金沢に持ち帰ってきた。 ゴーヤこそがニガウリのことで、チャンプルー(炒め物)にして食すとなかなかの美味なのだが、ジュースは…というと、まずあの舌触り。そしてレモン果汁や蜂蜜が繰り広げるゴーヤとの格闘。「まじゅーい、もう一杯」なんて口が裂けても言えそうにないこの代物、よくポッカは商品化しようと思ったな。 もっともここは、茶碗蒸しシェイクや缶のすまし汁などというものを作ったらしいから、それに比べりやマシかもしんないけど。 「開けたら全部飲んでくださいね」と鉄道愛好会の先輩に言うと、何とも途方に暮れたような顔をしていた。わかる気がする。 ■ 沖縄特産・うこん茶 (沖縄県、沖縄ウコン堂・190ml入り¥100) 一見すると全然怪しくないのだが、よくよく見るとこれが無茶苦茶怪しい。 まず、製造元が那覇市なのに、どうして与那国島にしか売っていないのか。 「日本ウコン産業(株)認定」とあるが、それは何者だ。 だいたい、「原材料名 ウコン(沖縄方言名・ウッチン)」とあるが、そのウッチンとは何だ。 最後に、どうして「シイタケ菌糸体入り」なんだ。 すべてが謎である。 缶を開けると漂う香り。 ナゼか「線香」。 一口飲む。 昇天。 脳に響く。 一言、「仙人になった気がする。」怪しい。怪しすぎる。 その場にいた沖縄県ゲテ物評議会(仮称)メンバー全員の承認で、栄えある「全国ゲテ物大賞」に選ばれてしまった。 あのタヒボベビーダを越える物は存在し得ないと思ったのに。 後日談。 ウコンとは、実は「ターメリック」(カレーなどで、黄色い色素をつける香料)のことと知って、少し納得。 だが、近所のジャスコ杜の里ショッピングセンターには、なんとウコン茶のペットボトル(1.5L)が売られていた!! しかも、発売元は「三井造船」。 杜仲茶ブームを巻き起こしたのは「日立造船」だから、「二匹目のドジョウ」でも狙ったのであろうか。 これを鐵道愛好會の恒例行事、「能登さくら駅・花見宴会」で持っていったところ…その後、どういう反応が返ってきたかは、想像に難くなかろう。 さらにその一年後。 再び私は「彼」と出会ってしまった。 山陰は青海島の玄関口で知られる、山口県の仙崎駅で。 「鉄」な方々には「仙崎支線」といえばおわかりいただけるだろう。 「健康飲料 ウコン茶大量入荷!!」というキオスクの張り紙に心躍ってしまった私は、愚かにも一気に5本も買い込んでしまった。 その瞬間の隣にいる同伴者の目の冷たさ。 そしてその後のカバンの重さ。 やはりゲテ物は身を滅ぼす。 閑話休題。 沖縄はよく「日本にありて日本にあらず」などと言われる。 確かに、大阪からならフェリーで石垣島へ行くのと上海へ行くのではあまり変わらないほどの時間と費用がかかる。 最西端である与那国島に至っては、那覇はもちろん近くの都市(??)である石垣島よりも台湾の方が近い。 だから…というわけではないが、街もどことなく違うし、味覚も違う。 豆腐。 朝の「連ドラ(「連なったドラえもん」ではない)」の後に放送される「生活ほっとモーニング」だっただろうか??愛称、「女の大研究」でも言われたことだが、沖縄の豆腐は堅い。これが沖縄の長寿の秘密らしいが、炒め物にしても崩れない。 ただ…、たとえばみそ汁の中に入れると、どうしても違和感がある。 とにかく焼き豆腐よりも堅い。 これならば「豆腐の角で頭をぶつけて死ぬ」ことも夢じゃない。 (←これはウソ。) ブルーシールアイスクリームをご存じだろうか。 「アメリカで生まれた沖縄の味」などと称しているこのアイスクリームに「ベニイモ」という物がある。こちらは普通に食べられる物だが、色からして生々しい。 日本最強の酒、花酒。 12年熟成させたという泡盛の古酒(クースという)が一升瓶で\1,800だったのに対し、こちらは3合で\2,400。高い。 この酒、実はアルコールが60度もある。 酒の分類を見ると、「原料用アルコール」。 試しに導火線をつけて燃やしてみると…、燃えること燃えること。 こんな酒であるから、一口飲んだだけで喉がしびれる。 「胃に落ちるときがまるで花びらが舞い落ちるようである」から花酒と呼ばれるらしいが、常人では酒が舞い落ちるよりも先に頭が舞い踊るのではないだろうか。 それでも沖縄の食べ物は、ちょっとエキゾチックな感じがするだけで、十分に美味である。 ただ、一歩間違えるとゲテ物になる。 「頭は使いましょう」という実例ですな。
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