旅先での出会いは、一期一会だ。
　だからこそ「旅の恥は掻捨て」などという言葉ができるのだ。

　だから、こんなこともできる。
「Pretend Oneself　（自分を演じること）」。

　コミックマーケットを問わず、コスプレ愛好者が増えている。
　それは、コスプレをしたあるキャラになりきることで、自分が変わる、変わったように見られることに快感を覚えるからだろう。
　なぜコミケならコスプレができるのだろうか。それはコミケという空間が「特異」であるからというほかはない。日常とは違う空間が広がっているからこそ、自由な自分が演じられるからこそ、コスプレが「認められる」のだろう。

　しかし、外見を変えずとも、自分を変える術がある。

　旅の途中で会う人たちは、ほぼ全員あなたのことを知らない。日頃は「バカ」をやっていても、その場で「まじめぶった」人を「演じ」れば、周りの人はそれがその人の「人となり」だと考える。そして、その「人となり」に合わせた接し方をしてくるはずだ。その反応を見て、楽しむなり、その「人となり」を日常生活にも適用するかを考えることも出来るはずだ。

　旅先では、不思議と見知らぬ人とも話が出来てしまう。これは共通の話題があるからだ。出身地や旅程、特定の土地に関する情報etc…。旅人同士の会話は特に盛り上がりやすい。そんな旅人達が集う場所、それがユースホステルなのだ。